抄録
本研究では、日本海の深層水形成メカニズムや循環を明らかにすべくトレーサーとして用いられているU-236の日本海表層海水への導入起源および導入年代を最終的に明らかにすることを目的としている。導入原の有力な候補として挙げられる、1950年代の赤道太平洋における水爆実験の影響を明らかにするため、水爆実験エリアであったマジュロ環礁のサンゴコア試料中のU 同位体比を年輪毎に測定し、当時の表層海水中U 同位体組成を1945年から2008年の期間に関して復元した。その結果、キャッスル作戦の行われた1954年に最大のU-236濃度、U-236/U-238比がみられ、その当時の北赤道海流中236U濃度は、約2.1E7 atom/kgと見積もられた。