抄録
海洋における鉛直方向の物質輸送は粒子状物質の沈降によって行われており、沈降中の粒子-海水間の元素交換が海水中の溶存成分の濃度に大きく影響する。海洋における生物生産の半分以上を占めているケイ藻はそのフラックスが大きいにもかかわらず、物質循環における役割はあまり理解されていない。ベーリング海のセディメントトラップ試料を用いて変質の影響の少ないケイ藻オパールの化学組成を推定した。得られた観測結果をもとに、元素が海水に溶解し水柱から除去されるまでの挙動をアルミノシリケイト、ケイ藻オパール、溶存態、酸化物の四つのボックスからなるボックスモデルを使って解析した。