抄録
火山周辺に形成される山麓湧水系は、飲料用などに適した酸化的な水質であることが多く、富士山湧水系も、そのほとんどが大気との気体交換平衡に近い、高い溶存酸素濃度を示す。しかし、これらの湧水系は、溶存全炭酸や硝酸にも富んでおり、これらは有機物を起源として、その呼吸反応(再無機化反応)によって形成されたことを示唆している。酸素は呼吸反応によって消費されるため、溶存酸素に富んでいることは矛盾しているように見える。そこで本研究では、富士山麓の自噴湧水で溶存酸素の酸素同位体組成測定を行い、湧水系の溶存酸素の起源や、大気平衡に近い溶存酸素濃度を保持するシステムを考察した。