抄録
秋吉石灰岩地域の河川堆積物(<180μm)に石灰岩の元素濃度が反映されない要因について、粒径分画別87Sr/86Sr同位体比から考察した。その結果、1000-125μmの粗粒分画は石灰岩の既報値とほぼ同一のSr同位体比(0.7076-0.7088)を示したが、<125μmの細粒分画では方解石が多く存在するものの異なる値を示すことが明らかになった。これは、粗粒分画では石灰岩が物理的風化した粒子の割合が高いが、細粒分画で見られる方解石は、一度化学的風化で溶けた方解石が二次的に生成されたものであり、細粒分画の同位体比は石灰岩中に不純物として含まれる鉱物起源に強く影響されている可能性を示す。よって、石灰岩由来の河川堆積物は、細粒分画において化学的風化に強い鉱物や二次生成された鉱物の化学組成を強く反映する場合もあるため、注意が必要である。