日本地球化学会年会要旨集
2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
セッションID: 1P15
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G11 現世および過去の有機物・微生物・生態系の地球化学
有明海湾奥部河口域および曽根干潟における表層堆積物フミン酸構造の環境による変化
*岩本 佑耶川口 哲平山内 敬明奈良岡 浩
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抄録
フミン酸は生体分子の重縮合体であることから、分子構造は堆積場の有機物供給履歴や生物生産の程度を反映していると考えられ、環境評価指標として応用できる可能性がある。河口域堆積物フミン酸の分子構造を分析し、地域分布や環境とのかかわりを明らかにするため、有明海湾奥河口域と筑後川下流域および曽根干潟において調査を行った。分析にはUV/VisとEA/IRMSを用いた。筑後川では川の流れに従い、フミン酸分子構造にかかわる分析値H/CとC/Nが芳香族的から脂肪族的に変化しており、起源物質が陸域由来から海域由来に変化していく様子がはっきり見えた。六角川河口と筑後川分流の早津江川河口ではフミン酸分析値の類似性により物質供給状態の類似性が示唆された。有明海内ではフミン酸の分子構造は物質輸送を反映していた。一方で曽根干潟のA2/A4は有明海と異なる傾向を示しており、これは両地域の環境の違いを示すものかもしれない。
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© 2013 日本地球化学会
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