抄録
本研究では有機物を酸化することでエネルギーを得る6つの代謝群(好気性細菌、脱窒菌、マンガン還元細菌、鉄還元細菌、硫酸還元菌、メタン生成菌)を対象とし、ボックスモデルを用いて有機物を巡る細菌群の競合が代謝群の棲息環境(地球化学的ニッチ)に及ぼす影響について検証した。細菌群衆の増殖動態と有機物ならびにその酸化剤の濃度動態を連立微分方程式で記述し、環境条件毎に棲息可能な代謝群を数値シミュレーションによって調べた結果、ギブス自由エネルギー変化のみに基づく代謝群の存在の予測は不十分であり、細菌群集間の競合や反応速度の律速について考慮する必要があることが示唆された。