抄録
東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により福島県第一原子力発電所が水蒸気爆発を起こし、Csを主とする放射性元素により広範囲にわたる放射能汚染をもたらした。福島県(2013)は、ため池底質の放射性Csの濃度を調査し、その中でも非常に高い放射能を示すため池があることを報告している。これはため池集水域の汚染土壌が降雨などにより連続的に侵食・運搬され、ため池に堆積したからと考えられる(Aoi et al. 2014JMPS)。福島の農業を復興する上でため池への放射性Csの堆積が懸念されており、ため池への放射性Cs堆積過程の理解が課題の一つとされている。そこで我々はセディメントトラップを用いてため池堆積物を一定期間ごとに採取し、ため池に堆積する放射性Cs汚染堆積物の堆積過程及び堆積過程の変化の要因を検討した。