抄録
自然の中に存在する元素は幾つかの形態で存在しており,特に重金属元素の毒性はその存在形態によって変化することが知られている.(独)産業技術総合研究所では,人為的汚染などの環境評価に資するために,陸海域における元素のバックグラウンド濃度を示した地球化学図を公表しており,現在は存在形態別地球化学図の作成に向けて研究を進めている.国際的に規定された逐次溶解法(BCR法)を用いた地球化学標準試料中の元素存在形態分析については,2010年度および2013年度年会にて信頼性および再現性に関する議論を行い,38元素の存在形態について基準となる値を報告した.本研究では,懸案となっていた「年月を経ることによる変化」および「試料の乾燥方法による結果の差異」の有無を検証した結果を報告する.