日本地球化学会年会要旨集
2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
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G10 最先端計測・同位体化学の地球化学及び境界領域への応用
東南極ドローニングモードランドで観測された、積雪内硝酸の沈着後変化による硝酸の窒素同位体比変化
*野呂 和嗣服部 祥平植村 立福井 幸太郎平林 幹啓川村 賢二本山 秀明吉田 尚弘竹中 規訓
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キーワード: 安定同位体, 硝酸, 南極, NOx
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p. 206-

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抄録

アイスコアに保存された硝酸の濃度及び安定同位体組成(d15N)は、古気候解析において有力な情報であると考えられる。しかし、硝酸は積雪として沈着した後、揮散もしくは紫外線による光分解反応によって消失することが知られており、このときに同位体分別を伴うことから、残留した硝酸には15Nが濃縮し大気中硝酸のd15N値比べて極めて高いd15N値が観測される。この沈着後の硝酸分解過程は清浄な南極大気において貴重な窒素酸化物生成源であり、南極における大気化学反応場(= 大気酸化剤の相対寄与)を変化させる重要な要因でもある。このように、南極における硝酸の積雪後の変化を解明するため、本研究では東南極ドローニングモードランドの沿岸部から内陸部にかけて採取された雪中の硝酸のd15N値を分析し、積雪中の硝酸光分解反応の地域間差異を推定した。

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© 2017 日本地球化学会
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