希土類元素(REE)は周期表で3族に位置するスカンジウム(Sc),イットリウム(Y)とランタノイド15元素の総称であるとIUPACは定義しているが,地球化学ではイオン半径の著しく異なるScを除いた16元素をREEとすることが多い.天然試料に含まれるREE濃度を適当な参照試料中の濃度で規格化したREEパターンは,50年以上に渡って地球科学の諸分野で用いられてきた重要な地球化学的ツールである.このようなREE地球化学に対し,化学種解析を組み合わせて安定同位体分別の支配要因を明らかにすることで,より詳細に酸化還元環境を区別可能な指標の開発を行った.一方で,原油などこれまでREEが分析されてこなかった試料へのREE 地球化学の応用を進め,REE地球化学の新境地を開拓している.