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Anthropoceneとしての定義(“golden spike”)として使用可能な大気圏核実験由来の放射性炭素(Bomb-14C)は,海洋にもそのシグナルを残しており,地球化学的な利用としても有効なglobal markerとなっている. Bomb-14Cは,海洋化学トレーサーとして利用可能であり,先行研究では,サンゴ骨格中に記録さたBomb-14C変動曲線の上昇勾配と最大値が着目され,十年スケールでの各海域の大気海洋CO2交換率について議論がされてきた.本発表では,サンゴ骨格中Bomb-14C分析研究のレビューと同時に、発表者の研究グループが行なってきた黒潮流域に生息する造礁サンゴのBomb-14C分析による高時間分解能海水動態復元研究を紹介する.今後,さらにサンゴ骨格中14C分析を長期間かつ広範囲へ拡大・応用していくことで,北太平洋亜熱帯循環全体の変動と気候変動とのより詳細な関係性理解へ貢献可能である.