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火星探査車Curiosityは、着陸地点であるGaleクレータに残された湖底堆積物のその場分析を行ってきた。酸化鉄やシリカといった堆積物の鉱物・化学組成から、湖に供給されていた地下水が高温での水-岩石反応を経験していた可能性が示唆されている。しかしながら、初期火星でGaleクレータ古湖を維持した水循環において、熱水の寄与の割合やその溶存化学組成は全く分かっていない。本研究では、3次元流体シミュレーションを用いて、Galeクレータ古湖周辺の水循環を再現し、Galeクレータに供給される水に対する熱水の寄与割合を定量化する。さらに得られた温度条件における水-岩石反応実験を行い、Galeクレータ古湖に供給された熱水の溶存種組成を推定する。数値実験および室内実験の結果とGaleクレータ湖成層の鉱物化学組成を比較することで、初期火星における気候状態や、生命が利用可能な還元剤候補について議論する。