主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 159-
更新世における氷期-間氷期サイクルの気候変動において、海洋炭素循環の変化が主要因となり大気中二酸化炭素濃度の変化が生じていたと認識されている。その変動メカニズムに迫るため、3次元海洋大循環モデルを用いて氷期海洋に関する数値実験を実施してきた。既往研究でよく制約されてきた海面の二酸化炭素溶解度の変化、海洋循環の変化、ダストによる鉄肥沃化に加え、南大洋の塩分成層の強化と氷河性ダストを含む鉄肥沃化が、炭酸塩補償の応答を増幅し、海洋深層の炭素貯留の増加とそれに伴う大気中二酸化炭素濃度の低下に寄与することがわかった。また、それらの過程を考慮すると、貧酸素で炭素同位体比指標の低い氷期の深層水特性が、従来のモデル実験に比べてより観測に即して再現されることがわかり、今回のモデル実験が再現した海洋炭素循環場の妥当性を支持している。