細菌・古細菌は全球上のバイオマスの約14%を占め、その大部分は地下生命圏に存在すると推定される。光や光合成産物の少ない地下圏では化学合成無機独立栄養微生物が生態系の生産において重要な役割を担うと考えられるが、ギブスエネルギーに基づく推定によれば生命が利用可能な化学エネルギーは非常に限られており、いかにして莫大なバイオマスが生産・維持されるかに興味がもたれる。本研究では化学合成微生物群集の相互作用ネットワークを抽象化し、熱力学的変数と関連づけたeco-redox modelを開発し、ネットワークの複雑性や系への物質供給量が群集構造や生態系の化学エネルギー利用効率に与える影響をシミュレーションベースで解析した。その結果、系への物質供給量があるレベルに達したとき、微生物間における反応の分割が進み、その結果として生態系の化学エネルギー利用効率が上昇することが示唆された。