沈み込み帯の有機物の炭素循環への役割を明らかにするには、地球深部の高温高圧条件での有機物の化学反応を解明する必要がある。本研究では、地球深部の有機物のモデル物質として直鎖アルカンのペンタコサン(n-C25)を対象として、外熱式ピストンシリンダー型高圧発生装置を用いて、<400 ℃、<1.5 GPa での高温高圧実験を行った。回収試料はGC-MS、ラマン分光分析による定性、定量分析を行った。0.5 GPa, 360~400 ℃では、n-C25残留率の減少が見られ、温度上昇、反応時間と共に反応の進行が示された。反応生成物として、熱分解による炭素数9~24のn-アルカンと、重合反応による分岐アルカンが見つかった。高温高圧下では重合反応が促進される。0.5 GPa, 400℃, 96時間での反応後に不溶成分からglassy carbonが検出されたことから、脱水素を伴う二次的な重合反応が進行したと考えられる。