岩石から得られる地球化学データは、元素の濃度や同位体比といった多次元データを包含しており、マグマの溶融・固結・岩石-流体反応といった様々なプロセスの情報を提供する。これまでの地球化学データの解析は、特定の元素に着目した低次元空間での解釈が主流であった。一方で、多次元データの活用に長けているのが機械学習手法である。本研究では、変成岩・火成岩全岩化学組成データに対して機械学習による「教師あり学習」と「教師なし学習」によって、沈み込み帯の高圧変成岩に記録された、岩石-流体反応に伴って変化する元素濃度を定量的に推定する手法を示す。また、三波川変成帯・四国中央部から採取した、最高到達温度が連続的に変化する試料群へ開発した手法を適用した。Rb, Ba, Srの定量的な元素濃度は、沈み込み帯のより深部で温度が上昇するほど溶脱する(変化量が90%以上)のに対し、変成帯の上昇過程でこれらの元素が再び付加されることを示した。