日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
2013 年冬季から春季における屋久島の大気中水銀濃度の変動
*大浦 一貴中澤 暦永淵 修手塚 賢至篠塚 賢一
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p. 22-

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抄録

屋久島の樹木の年輪コア中水銀濃度の2000年以降の上昇の原因を明らかにするため、大気中水銀 (Hg (0)) 濃度の検証を行った。検証には、2013年1月から6月の屋久島の西部と中央山岳地域の4地点 (標高217 m、410 m、800 m、1800 m) で観測した Hg (0) のデータを用いた。217 m、800 mで観測したHg (0) 濃度の平均±標準偏差 ( ng / m3) は、それぞれ1.12 ± 0.53 ng / m3 ( n = 39 ) と1.22 ± 0.52 ng / m3 ( n = 36 ) であり、平均値の差の検定 (Welchのt検定) を行った結果、有意な差はなかった。217 mで高濃度のHg (0) (1.96 ng / m3、1.97 ng / m3、2.32 ng / m3) が観測された時は、空気塊の移入経路に傾向は見られなかった。一方で800 mおよび1800 mでの高濃度Hg (0) (1.89 ng / m3、1.97 ng / m3、2.99 ng /m3、5.04 ng / m3) 観測時は、東アジア大陸由来の空気塊の移入経路が優先していた。この大陸由来のHg (0) が屋久島の樹木に取り込まれた結果、2000年以降の年輪コア中水銀濃度の上昇に反映されている可能性が示唆された。

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