主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
回次: 70
開催日: 2023/09/14 - 2023/09/24
p. 224-
開発中あるいは開発後の陸上鉱山では,硫化鉱物と酸素を含む水の反応に伴って重金属を含む酸性の坑廃水が生成する。実際の現場では消石灰 (Ca(OH)2) 等の中和剤を用いて経験的な処理を行っているが,より適切な処理条件を決定するためには,坑廃水中で生じる種々の化学反応について整理する必要がある。中和反応における坑廃水中の元素挙動を定量的に評価するツールとして,PHREEQC (USGS) などの地球化学計算コードが用いられる。最近では,複雑な反応プロセスをもつMnに着目した検討が進められており,生成物のX線吸収微細構造解析 (XAFS) などと組み合わせることで,鉱物の生成条件や結晶構造等の詳細なデータ蓄積に繋がる。本発表では,坑廃水処理試験を通じて構築された地球化学計算コードの詳細や,地球化学分野における貢献,今後の展開について紹介する。