日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G1 大気とその境界面における地球化学
北陸地方および首都圏における大気中の過酸化水素濃度の測定
*渡辺 幸一三辻 奈波茶谷 通世赤堀 泰晟鍛治 柊兵髙橋 立篠原 和将篠崎 大樹大河内 博速水 洋米持 真一
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キーワード: 過酸化水素, オゾン
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p. 7-

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抄録

富山県内(射水市)および首都圏(東京都新宿区、埼玉県加須市)においてH2O2などの測定を行い、各地点における濃度変化の特徴などについて考察した。射水市におけるH2O2やHCHO濃度は夏季(7, 8月)に極大となる季節変化が観測され、H2O2やHCHOは光化学反応による二次生成の寄与が大きいものと考えられる。一方で日中のO3濃度の極大は5月に観測され、北陸地方の特徴と考えられる。都心部など大都市域と異なり、北陸地方ではO3濃度は越境汚染の影響を受けやすい初夏に、H2O2やHCHO濃度は紫外線量が強く気温も高い夏季に最も高濃度となると考えられる。2022年7月に実施した新宿区と加須市での同時観測の結果、H2O2やO3濃度は、加須市の方が高く、新宿区でNOX濃度が高かったことに加え、卓越する南風によりO3やH2O2が光化学生成されながら大気が内陸へ輸送されたためと考えられる。

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