日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G9 地球化学の最先端計測法の開発と挑戦
ストロンチウム同位体を用いた漆の原産地推定を正確に行うための分析・解析手法の開発
*若木 重行岡田 文男南 雅代大谷 育恵高畠 考宗谷口 陽子
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キーワード: Sr同位体, 産地推定, , 考古学
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p. 208-

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抄録

本研究では、考古遺物としての漆器の漆塗膜に対して、塗膜が漆とさまざまな無機物質との混合体であるという認識のもと、その漆成分を正確に分離・分解し、漆成分の正確なSr同位体分析を行うための分析手法を新たに構築した。また、分析で得られた同位体比の解析方法についても、先行研究における「日中の判別」における問題点を指摘するとともに、Sr同位体比の地球化学図を利用したより正確な「原産地推定」法を提唱する。発表では、本研究で新たに構築された手法の応用例として、オホーツク文化後期に相当する遺跡である北海道枝幸町の目梨泊遺跡より出土した金銅装直刀の外装の蒔絵に由来する漆塗膜資料の分析を紹介する。

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