日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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S2 地球掘削かがく
過去80万年間にわたる日本海南部への対馬暖流流入量変化の復元
*佐川 拓也
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p. 251-

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抄録

第四紀に繰り返し起こった氷期―間氷期変動は大陸氷床の消長によって最大で130 m程度海水準を変化させた。そのため、低海水準の氷期には日本海への対馬暖流流入量が減少し、塩分供給が絶たれたことによりベンチレーションは停止した。しかしながら、そこにいたるまでの対馬暖流の流入量減少や表層成層状態の変化については具体的に明らかになっていない。本研究では、統合国際深海掘削計画(IODP: Integrated Ocean Drilling Program)の第346次航海で日本海南部のSite U1427で掘削された堆積物に含まれる底生有孔虫と浮遊性有孔虫の酸素同位体δ18Oを分析し、その差(Δδ18O)を取ることで対馬暖流の流入量変化の復元を試みた。両者のΔδ18O(底生-浮遊性)は0−3‰の範囲で変化し、氷期に小さく、間氷期に大きい傾向を示した。このことは、海水準の高い間氷期に対馬暖流の流入が多く、表層―低層の水温勾配が大きくなったことを反映していると考えられる。全球的海水準変動と比較し対馬暖流の流入強度について議論する。

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