主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 146-
これまで炭素質コンドライト中の不溶性有機物(IOM)と可溶性有機分子(SOM)は別々に研究されてきた。幾つかの研究では、IOMの水熱反応によって特定のSOMが生成する事実が見出され、IOMとSOMとの間に進化的関係性があることが示されているが、IOMからの水溶性有機分子の生成については限定的であった。本研究では、IOMから分解生成する水溶性有機分子を詳細分析する目的で、IOMの水熱実験(200℃、72時間)を行い、実験後の水溶液を溶媒抽出し、Orbitrap MSで測定した。その結果、過去に報告されているモノ-、ジカルボン酸に加え、ベンゼンカルボン酸、ニコチン酸などの含窒素ヘテロ環化合物、含硫黄ヘテロ環化合物を新たに同定した。これらは隕石や小惑星試料のSOMにも含まれる。以上の結果は、従来考えられていたよりも多様なSOMの起源と形成が、小天体上でのIOMと水との反応に由来することを示す。