青森県,下北半島北西部には新第三系の易国間安山岩類(IKA)が広範囲に分布し,主に安山岩質ハイアロクラスタイト及び溶岩から構成される.IKAの主成分全岩化学組成が奥戸中央部を南北に走る推定断層を境に東西で異なることが指摘されている(山崎・周藤,1986). 本研究では,この東西の組成差が1)形成年代の違いによるマグマ変遷の差,2)地域差によるマグマ成因の違い,なのかを解明するため,IKAに産するデイサイト質岩のジルコンU-Pb年代およびIKAの全岩化学組成(ホウ素を含む)を明らかにし,そのマグマ成因について考察する.U-Pb年代結果からは東西で少なくとも1 Myr以上の年代差を見出した.また,全岩化学組成の特徴から,東部のIKA は西部に比べ,流体の付加量が多い島弧火成作用により形成され,その組成変化は島弧玄武岩とデイサイトのマグマ混合によるが,西部ではソレアイト質マグマの関与が示唆される.