情報地質
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論説
層序単位の存在確率分布に基づく東京湾周辺地域の3次元地下構造モデリング
麻植 久史古宇田 亮一楠瀬 勤一郎丸井 敦尚植木 俊明
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2008 年 19 巻 1 号 p. 3-11

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抄録

 陸域と海域の境界である沿岸域は,防災や地下構造利用の面で重要な地域であるが,水深の浅い水域であるため,船舶を必要とする水域調査手法や陸域調査手法の適用が困難である.そのため,陸域と海域に存在する物理探査データなどの既存データを統合できる手法を考案した.この手法は,層序単位の存在確率に基づき地下構造を3次元モデリングできる.これを東京湾周辺地域に適用した結果,下総層群,上総層群中部,上総層群下部,三浦層群,基盤の3次元層序単位分布が推定できた.また,標高-2,000 m付近に100~200 m程の基盤変位部が確認できた.この変位の北東隆起はボーリング調査結果とも良く整合した.このモデルを使用し,この地域のCO2貯留可能量を試算したところ,本対象地域における貯留層容量が,約44.7億tonと見積もられた.

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