抄録
露頭情報をデジタル情報として取得,流通,活用させるために,様々な立場で利用できるオープンなシステムの構築と,その実現のための標準技術の確立を目指し「露頭情報ボキャブラリ」の試作を行った.露頭情報ボキャブラリの作成に当たっては,露頭情報が基本的な一次情報であるため,Web上に分散された他のシステムとの関連付けが行えるようにセマンティックWeb技術を取り入れた.具体的にはオントロジーを用いて設計し,OWL(Web Ontology Language)で記述した.この露頭情報ボキャブラリは,フィールド観察を記述するためのFieldObservationクラスを中心とする14個のクラスを含む.また,野外調査者が利用する部分のテストシステムを作成し,露頭情報ボキャブラリの有効性の検証した.この結果,XMLベースの他のフォーマットとの相互変換,関連付け等,既存技術と親和性が良いことが明らかになった.