2015 年 26 巻 4 号 p. 155-163
標高データが直接表現するものは地形であるが,地形の形成は地質学的な要因に大きく支配されるため,標高データから地質に関する情報を読み取ることができる.近年の科学技術の進歩に伴い,様々な範囲,精度の標高データが入手できる時代となったが,Web利用という観点から見た場合,近年の対話的なWebサイト利用ではほとんど活用が進んでいない.我々は,標高データの利活用促進のために,Web上で高速に扱うためのフォーマットとしてPNG標高タイルを考案,それを提供するテストサービスを構築した.さらに,日本シームレス地質図の標高取得機能で利用し,またテストWebアプリケーションとして浸水シミュレーションを作成した.これらの利用を通じて,高速で対話的なWebアプリケーションを構築することが可能であることが示され,PNG標高タイルの有効性を実証できた.