情報地質
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論説
数値標高モデルを用いた地形特徴とSegment Tracing Algorithm (STA)法に基づくリニアメント抽出法の開発
中尾 大樹升本 眞二根本 達也
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2019 年 30 巻 3 号 p. 87-100

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抄録

数値標高モデル(DEM)を用いてリニアメントを抽出する有効な方法の1つとして線素追跡アルゴリズム(STA)がある.しかし,STAにより得られるリニアメントは地形の陰影画像上で見られる線状構造であり,地形の特徴と直接的に関連づけられていない.本研究では,断層や撓曲に関連したリニアメントをより直接的に抽出するために,DEMの地形特徴から識別される線素を用いたリニアメントの抽出方法をSTAの原理に基づき開発した.リニアメントの抽出は,次の5つのステップからなる.①DEMの各セルにおける地形面の単位法線ベクトルの算出,②単位法線ベクトルの方向の変化が少ない連続性の良い方向の判別,③線素の抽出,④線素の連結,⑤線分の統合.開発した抽出方法を六甲山およびその周辺地域に試験的に適応し,既知の活断層と一致するリニアメントの確認ができた.また,小領域の範囲などのパラメータがリニアメント抽出に及ぼす影響を明らかにした.

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© 2019 日本情報地質学会
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