2023 年 34 巻 3 号 p. 61-68
海域火山から軽石が大量に噴出され,漂流を経て沿岸に漂着すると大きな社会的影響を及ぼす場合がある.これらのリスクを事前に評価するために,漂流シミュレーションを行っているが,その結果として得られる多数の漂流粒子経路はその膨大さのゆえに全体の把握が難しく,挙動の理解やハザード評価のためには,包括的かつインタラクティブな可視化をする必要がある.本研究では大量の点群データを処理して作成した点群PNGファイルを用いて,ウェブ地図上で漂流軽石の挙動を簡単に可視化できるシステムの開発を行った.本手法により,数万粒子全ての動きを可視化し,アニメーションによる表示も可能である.また,漂流経路のインタラクティブな可視化や指定範囲内の粒子数をカウントする機能も実装した.今後,様々な改良を加えて,ユーザーが簡単に利用できるハザード評価システムの構築を進めていく予定である.