情報地質
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論説
アクセス解析・テキストマイニングによる放射能汚染対策に係るニーズ抽出
新里 忠史 上川 努大木 法子
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2024 年 35 巻 4 号 p. 99-108

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抄録

放射能汚染に対する対策に関連したニーズの抽出を,日本原子力研究開発機構が運営する根拠情報Q&Aサイトのアクセス解析と地方自治体の職員のための同機構による調査研究の説明会から得た速記録テキストデータのテキストマイニングにより実施した.アクセス解析の結果からは,東京電力福島第一原子力発電所事故から10年以上を経ても,環境中と農林水産物中の放射性セシウム濃度,および放射能汚染の程度と避難指示の解除の根拠として利用される空間線量率に関するデータと情報についてのニーズが高いことが示された.テキストマイニングの結果からは,太平洋沿岸の浜通り北部では河川水域と水産物,内陸盆地の中通りでは森林環境と林産物の放射性セシウム濃度と空間線量率に係るデータと情報,浜通りの南部では森林域とため池における除染と空間線量率に係るデータと情報について,除染後の空間線量率の変化に係るモニタリングデータと同様にニーズが示唆された.また,将来の状況よりも,現在の放射能汚染に関する調査および,モニタリングに基づく情報とデータへのニーズの高さも示唆された.

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