情報地質
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傾斜量図を用いた地形・地質の判読
神谷 泉黒木 貴一田中 耕平
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キーワード: 傾斜量図, 判読, 地形, 地質, DEM
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2000 年 11 巻 1 号 p. 11-24

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抄録

数値地図50mメッシュ (標高) を用い, 地表面の傾斜を濃淡画像で表現した傾斜量図を作成し, これを用いた地形・地質の判読を試みた.傾斜量図は, 低地 (段丘) , 山地, 火山, 地すべり地の地形の判読に有用であった.また, 構成地質に関しては, 構造線・断層の候補となるリニアメント, ある種の岩石の分布域の境界を判読できる場合があった.判読のための傾斜の計算方法としては, Roberts型よりもPrewitt型あるいはSobel型が優れている.傾斜量図は, 他の地表面の表現手法と比べ, いくつかの点で優れている.上記の判読で使用している基本的な判読キーは, 「明るさ」, 「一様性」, 「線間隔」, 「鮮明さ」, 「方向性」であった.また, 山地においては, 尾根と谷に対応する明るい線が互いにがっちりかみ合った模様である「脳状模様」が有用な判読キーであった.以上を総合し, 傾斜量図は, 地形・地質を調査する上で重要な資料となりうる.

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© 日本情報地質学会
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