抄録
生物計測は微化石分類学において重要な記載情報源である.本論では, 微化石における新しい計測システムの開発を行った.このシステムでは, 顕微鏡観察作業の省力化, 計測作業に介在する機器数の低減, および再利用可能なデータ記録形式の採用をはかった.システムの検証は、形態が単純でコンピュータグラフィックス上のワイヤーフレーム像とみなすことができる現生珪質鞭毛藻Distephanus speculumを材料として行った.このシステムは画像データを計測データに変換でき、その統計解析によってD.speculumが二つのグループに分割されることが示唆された.