抄録
地質調査の基本的手続きをコンピュータ処理の観点から分析し, 地質図作成過程を空間情報, 定性的情報, 関係情報を組み合わせたデータ処理の流れとして定式化した.野外調査から層序区分までの作業では専門家の観察や判断が基本となるが, それ以降の3次元地質モデルを構築して, 地質図として可視化するまでの作業はコンピュータによる機械的処理が可能であることを, 単純な地質図作成問題を使って例示した.したがって, 野外調査から層序区分に至る専門家の作業をサポートするコンピュータシステムの開発がコンピュータによる地質図作成システムの構築に向けて今後の重要な課題となる.