情報地質
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境界面を使った地層の分布域の定式表現について―C1タイプおよびC2タイプの境界面―
塩野 清治升本 眞二坂本 正徳
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1994 年 5 巻 4 号 p. 223-232

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抄録
調査地域を表す3次元空間Ω内における地層の分布を境界面で境された部分空間という形式で定式表現する.整合および不整合という地質概念の数学モデルとして, Ωを覆う順序づけられた部分空間b1, b2, …, bnを境する境界面S1, S2, …, Sn-1に関して, C1タイプの境界面およびC2タイプの境界面という概念を導入した.すなわち, 境界面Stが連続する部分空間の列 (br, br+1, …, bk) を2つの連続する部分空間の列 (br, …, bt) と (bt+1, …, bk) に分割するとき, bk+1を追加した部分空間の列, (br, …, bk, bk+1) もまたStによって2つの連続する部分空間の列 (br, …, bt) と (bt+1, …, bk, bk+1) に分割されるならば, bkbk+1の境界面SkをC1タイプの境界面と呼ぶ.一方, bkbk+1の境界面Skが連続する部分空間の列 (b1, b2, …, bk, bk+1) を (b1, …, bk) と単一の部分空間bk+1に分割するとき, SkをC2タイプの境界面と呼ぶ.もし, 3次元空間Ωを覆うすべての部分空間b1, b2, …, bnがC1タイプあるいはC2タイプのいずれかであるような境界面S1, S2, …、Sn-1で境されているとき, すべての部分空間b1, b2, …, bnは境界面S1, S2, …, Sn-1を使って一意に定式表現される.また, その定式表現にしたがえば, 調査地域を表す3次元空間Ωの任意の点に地層を表すラベルをつける関数gを定めることができる.部分空間の定式表現と関数gは地質図自動作成システム“CIGMA”の基本構造に対する理論的根拠を与える.
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© 日本情報地質学会
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