抄録
2次元平面内で不規則に分布し, 多様な属性をもつ地質情報から種々の地下構造を明らかにするためには, 等値線作成法の選択が重要となる.なぜならば, 各手法ごとに作成される曲面の形状, すなわち属性値 (物性値) の分布を表すモデルが異なるからである.等値線作成法は, 対象とするデータの性質によって2つに大別される.その1つは各データに物理的な重み係数を与え, その重み係数に応じてモデルと原データとの値の差を調整する「当てはめ」であり, 他方はすべての原データの位置でその値に近づくようなモデルを構築する「補間」である.さらに, 後者の補間においては, (i) データの母体が均質な場合と (ii) 複数の母体からデータが得られた場合とによって手法を細分化する必要がある.
本論文では, (i) に適する補間法として移動平均法, 最適化原理, クリッギング法, および最適化原理とクリッギング法とを組み合わせた手法を選び, これらを2次元関数の復元問題に適用した.各補間法によって格子点ごとに求められた値に基づき, 補間の誤差, モデルの滑らかさ, およびセミバリオグラムの誤差の観点から各補間法を評価した.さらに, 補間法を適用する際に必要となるパラメータの値の適切な設定法, および補間の誤差と格子点周りのデータの分布状態との関連性について考察した.