情報地質
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ボックスカウンティング法によるフラクタル次元算出システムの開発と解析精度
斎藤 和也土屋 範芳中塚 勝人
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1997 年 8 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

フラクタル図形のフラクタル次元を求める方法にボックスカウンティング法 (BC法) がある. BC法とは, 解析対象の図形を正方形のセルで分割したときに, セルの大きさと図形を含むセルの総数との関係を両対数グラフ上で直線近似したときの直線の傾きの絶対値からフラクタル次元を求める方法である. BC法は簡便で汎用性が高いために広く用いられているが, 実際に図形を解析する場合には図形の解像度や観測精度などの影響により, 両対数グラフにおける直線近似に有効なデータ区間“カットオフレベル”が存在する. このことを考慮しなければ, 信頼度の高い結果を得ることはできない. 本研究では, カットオフレベルへの調整を簡単に行えるように開発したフラクタル次元算出支援ソフトウェア「FIVA」を用いて, 自明なフラクタル図形の解析を行い, カットオフレベルと解析精度を導出した. これらの結果より岩石断面に分布するき裂のフラクタル次元を算出した.

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