地質学雑誌
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論説
北部北上帯付加体中の海山石灰岩からの石炭紀アンモノイド・サンゴ化石
永広 昌之小守 一男土谷 信高川村 寿郎吉田 裕生大石 雅之
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2010 年 116 巻 4 号 p. 219-228

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抄録
岩手県岩手郡葛巻町尻高に分布する,北部北上帯葛巻-釜石亜帯に属する混在岩中の石灰岩ブロックから,後期石炭紀,おそらくはMoscovianのアンモノイド・サンゴ化石を見出した.含化石石灰岩は海洋島型玄武岩と伴って分布し,本来海山-石灰礁コンプレックスを形成していたと考えられる.今回の報告は北部北上帯からの初の古生代アンモノイドの産出報告であるとともに,北部北上帯からの確実な石炭紀化石の初報告である.含化石石灰岩が海洋島石灰岩と判断されることから,葛巻-釜石亜帯の形成に関与した海洋プレートは少なくとも後期石炭紀には誕生していたことが確実となった.
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© 2010 日本地質学会
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