地質学雑誌
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論説
  • 鹿野 和彦, 大口 健志, 林 信太郎, 矢内 桂三, 石塚 治, 宮城 磯治, 石山 大三
    2020 年 126 巻 5 号 p. 233-249
    発行日: 2020/05/15
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル フリー

    田沢湖カルデラから2-1.8Maのある時期に噴出した火砕流密度流起源のテフラを記載した.下部は多面体~平板型ガラス片と岩片に富むテフラで,マグマ水蒸気爆発に伴ってカルデラ崩壊が始まったことを示唆する.上部は淘汰不良無層理の気泡型ガラス片に富むテフラで,岩屑なだれ堆積物と共存しており,カルデラ形成噴火最盛期に放出されたことを示唆する.これらは長期的にわたって侵食され田沢湖近傍でさえほとんど残っていない.カルデラ形成後の1.8-1.6Maには2つの溶岩ドームがカルデラ床に,2つの溶岩流が外輪山に噴出している.また,カルデラ形成前にはカルデラ南縁で少量の安山岩が噴出している.

  • 宮田 和周, 長田 充弘, 仁木 創太, 服部 健太郎, 大林 秀行, 平田 岳史, 大藤 茂
    2020 年 126 巻 5 号 p. 251-266
    発行日: 2020/05/15
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル フリー
    電子付録

    九州北部福岡県の筑豊炭田における始新統の直方層群下部の三尺五尺層から,新たに得られたジルコンのウラン-鉛(U-Pb)年代は,かつて同層群上部の上石層から報告されたフィッション・トラック年代(44.2±3.4Ma)よりも有用な年代学的制約となる.LA-ICPMSで測定された三尺五尺層の凝灰岩および凝灰質岩4層の堆積年代は,層序順に下位から46.18±0.59Ma,44.21±0.49Ma,41.53±0.28Ma,そして40.34±0.20Maであった.これらの年代は,三尺五尺層におよそ500万年を超える見かけ上の堆積期間があり,その期間は九州における軟体動物化石年代層序の沖ノ島階の期間(中期始新世中期~後期始新世?)の大半に相当する.また,三尺五尺層基底付近の下部と同層群基底の大焼層は年代的により古い高島階(前期始新世~中期始新世前期)に対比されること示す.すなわち,筑豊炭田の堆積盆形成作用は遅くとも中期始新世前期には既に始まっていたと推測される.

  • 丹羽 正和, 雨宮 浩樹, 代永 佑輔, 小北 康弘, 安江 健一, 岩野 英樹, 檀原 徹, 平田 岳史
    2020 年 126 巻 5 号 p. 267-283
    発行日: 2020/05/15
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル フリー

    北海道幌延地域の新第三系~第四系に挟在する3試料のテフラについて,ジルコンの同一粒子に対しU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代を求め,堆積年代を推定した.このうちTKB3とTKB6は,最若粒子集団から計算したU-PbおよびFT年代が誤差2σで一致し,降灰テフラの噴出年代を示すと考えられた.特にTKB6については,前後のシルト岩の珪藻化石年代とも一致する.TKB7は,多くのジルコンでFT年代がU-Pb年代と同等かそれ以上に若返っており,全粒子から計算したFT年代と最若粒子集団から計算したU-Pb年代が誤差2σで一致するので,それらがテフラの噴出年代を示すと考えられた.TKB3とTKB7のU-Pb・FT年代は,更別層に含まれる層序学的位置とも整合的である.勇知層と声問層の境界付近に位置するTKB6のU-Pb・FT年代は,勇知層の既往の年代範囲よりも古いが,同一層でも西部より東部の方が年代が古くなるという本地域の新第三系~第四系における傾向と矛盾しない.

報告
  • 伊藤 久敏, 村松 敏雄
    2020 年 126 巻 5 号 p. 285-290
    発行日: 2020/05/15
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル フリー
    電子付録

    Here, we report zircon uranium-lead (U-Pb) dating by laser ablation-inductively coupled plasma-mass spectrometry (LA-ICP-MS) to better constrain the eruption ages of seven widespread Quaternary tephras distributed across Niigata Prefecture, Japan. Two samples (HK10, Og) are from well-documented tephras in the literature, and the other five samples (Odaira, Yokokura, Kimigaeri, Oguriyama, Shimizu Pass) are from local districts in Niigata Prefecture. We applied three different U-Pb age calculations which yielded ages of 0.4-1.7 Ma for the samples. The U-Pb ages for the >0.5 Ma tephras are similar among the three methods, whereas a small discrepancy exists for the <0.5 Ma tephras. Our U-Pb ages are compared with previous age estimates in the literature, and five tephras (HK10, Og, Yokokura, Kimigaeri, Oguriyama) yield consistent ages between the present and previous studies. The ages of the other two tephras (Odaira, Shimizu Pass) differ from previous estimates, whose reasons are also mentioned.

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