地質学雑誌
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最新号
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レター
  • 内野 隆之
    2022 年 128 巻 1 号 p. 191-197
    発行日: 2022/09/22
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー

    The Nedamo Belt in the Kitakami Massif, NE Japan, contains early Carboniferous and Early Triassic accretionary complexes. Tectonic blocks containing plutonic rocks, ultramafic rocks and high-P/T schists occur in these complexes and characterize the Nedamo Belt. The plutonic rocks comprise hornblende gabbro and quartz diorite, and they have been identified at more than 50 localities. U-Pb dating of zircon from the quartz diorite using inductively coupled plasma-mass spectrometry yields an Early Ordovician age of ca. 480 Ma. Based on similarities in lithofacies and age, the plutonic rocks are correlative to the Kagura Igneous Rocks of one of the basement units in the South Kitakami Belt. This correlation may help in deducing the mechanism (e.g., large sinistral strike-slip fault) of emplacement of the tectonic blocks into the accretionary complexes of the Nedamo Belt.

  • 佐藤 時幸, 渡邉 奈々, 山本 和幸, 井龍 康文
    2022 年 128 巻 1 号 p. 185-190
    発行日: 2022/09/22
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー

    The upper Miocene to Pleistocene Shimajiri Group, composed mainly of siltstone and sandstone, occurs on some of the Ryukyu Islands in southwestern Japan. This group is thought to have been deposited in a shelf-slope to fore-arc basin setting before the accumulation of Pleistocene coral reef deposits (Ryukyu Group). We investigated the calcareous nannofossil biostratigraphy of the Shimajiri Group in the Offshore Okinawa 1-x well, drilled near the northeastern margin of the Okinawa-Miyako Submarine Plateau, Ryukyu Islands. A sample from 280 m, at the base of Ryukyu Group, contains Gephyrocapsa parralella, which first occurred at 0.987 Ma. Discoaster quinqueramus and D. berggrenii, which define both the top and bottom of the calcareous nannofossil zone NN11, are found throughout the Shimajiri Group, consistent with a late Miocene age between 8.10 Ma and 5.53 Ma. A large sedimentary gap between the Shimajiri and Ryukyu groups suggests that part of the Okinawa-Miyako Submarine Plateau may have been above sea level during the early Pliocene, implying deposition of the Shimajiri Group here was completed earlier than in other regions. This study provides key constraints on the Cenozoic geological history and phylogeography of the Ryukyu Islands.

論説
  • 鹿野 和彦, 石山 大三, 大場 司, 藤本 幸雄, 大口 健志
    2022 年 128 巻 1 号 p. 169-184
    発行日: 2022/01/15
    公開日: 2022/09/28
    ジャーナル フリー
    J-STAGE Data

    秋田県湯沢市蓮台寺の採石場に露出する厚さ10 mを超える帰属不明の礫層(蓮台寺礫層)についてその産状を記載し,起源について議論した.この礫層は,構成粒子の大きさや種類(色調)などの違いによって,15枚を超える多数の,層状に重なる礫質堆積物からなる.いずれも,カオリン鉱物に富む礫を主体とし,ラハール堆積物の特徴を示す.湯沢地域に分布するほかの地質単元との層位関係は,この礫層が2 Ma以降に堆積したことを示唆する.また,古流向はこれが南東から来たことを示唆し,礫を構成する鉱物が熱水変質起源であることから,その給源は,湯沢市街地南東の三途川カルデラ内にあって熱水変質起源のカオリン鉱物が記載されている地域に求めることができる.蓮台寺礫層を構成する多数のカオリン鉱物に富む礫質堆積物は,その給源において斜面崩壊もしくは水蒸気噴火で変質岩の岩屑が繰り返し生じて流出する時期があったことを示唆する.

巡検案内書
  • 原 英俊, 冨永 紘平
    2022 年 128 巻 1 号 p. 149-168
    発行日: 2022/09/22
    公開日: 2022/09/22
    ジャーナル フリー

    御荷鉾緑色岩類は,後期ジュラ紀に形成され,前期白亜紀にアジア大陸東縁へ付加された地質体だと考えられている.一方,御荷鉾緑色岩類と北部秩父帯の柏木ユニットは,岩相,変形構造,地質構造,変成作用において,密接な関係があることが指摘されている.両地質体の初生的な関係の理解は,後期ジュラ紀〜前期白亜紀のパンサラッサ海(古太平洋)やアジア大陸東縁の沈み込み帯のテクトニクスの解明につながるため重要である.本巡検では,御荷鉾緑色岩類と柏木ユニットの海洋性岩石である玄武岩類およびチャートに着目し,両地質体の類似点と相違点について観察を行う.また本巡検地では,御荷鉾緑色岩類の上位に柏木ユニットが衝上する大高取山クリッペや堂山クリッペが提唱されている.これらクリッペについて,両地質体の岩相上の特徴から再検討を行う.さらに小規模に点在して分布する帰属不明な蛇紋岩についても観察を行う.

レター
論説
総説
  • 気象・地質イベントに関係した堆積作用と堆積物
    池原 研
    2022 年 128 巻 1 号 p. 153-165
    発行日: 2022/07/06
    公開日: 2022/07/06
    ジャーナル フリー

    現行堆積作用・堆積物の研究は過去数十年で大きく進歩した.最近の一つの進展は気象・地質イベントに関連して形成された堆積物とその堆積過程の研究である.気象イベントに関連したイベント堆積物の理解は国際的な物質循環と地層形成の研究プロジェクトにより大きく進展した.一方,地質イベントに関しては2004年スマトラ沖地震・津波や2011年東北沖地震・津波後の調査研究がイベント堆積物とその堆積過程の研究に大きな進展をもたらした.今後の現行堆積作用・堆積物の研究の進展のためには,堆積物の地質学的な研究と現場観測,実験,シミュレーションの統合が重要である.

論説
  • 星 博幸, 岩野 英樹, 檀原 徹
    2022 年 128 巻 1 号 p. 143-152
    発行日: 2022/07/06
    公開日: 2022/07/06
    ジャーナル フリー

    守屋層は北部フォッサマグナ南縁部の中新世古環境や伊豆弧衝突に関連した地殻運動を記録していると推定されるが,その上部を構成する変質火山岩類の年代がよくわかっていなかった.今回,守屋層最上部の唐沢川酸性火山岩部層から15.5±0.2<sub>(2σ)</sub> MaのジルコンU-Pb年代を得た.この結果より,本部層の火山岩類の形成は15.5 Ma頃だったと考えられる.守屋山地域の火山活動はN8帯の下限年代である17.0 Ma以降に始まり15.5 Ma頃まで継続したと考えられ,15.5 Ma以降も火山活動が継続していた可能性はある.守屋層は下部の砕屑岩部分が北部フォッサマグナの内村層に対比されているが,上部の火山岩類も含む守屋層全体が内村層に対比可能と考えられる.この火山岩類の活動は設楽火山岩類の主要活動(約15-13 Ma)に先立って起こったが,設楽火山岩類の一部である津具火山岩類の活動とは同時期だった可能性がある.

巡検案内書
  • 高木 秀雄, 吉田 健一
    2022 年 128 巻 1 号 p. 131-141
    発行日: 2022/08/17
    公開日: 2022/08/17
    ジャーナル フリー
    電子付録

    ジオパーク秩父は1市4町(秩父市,横瀬町,皆野町,長瀞町,小鹿野町)をエリアとしており,2011年に国内で15番目の日本ジオパークに認定された.ジオパークのメインテーマは「大地の守人を育むジオ学習の聖地」であり,東京から比較的近いこともあり明治時代より多くの研究者がこの地を訪れて,近代地質学を発展させた地学の歴史が盛り込まれているとともに,宮沢賢治の足跡を辿ることもできる.また,秩父札所34ヶ所観音霊場などに代表される寺社には,人々が特異な地形に神秘を感じ,大切に守り伝えてきた特別な場所が数多くあり,ジオパーク秩父の見どころともなっている.公開されているジオサイトも札所の数と同じ34ヶ所に絞られており,そのほか文化・歴史サイト,生態サイト,眺望サイトが選定されている.この巡検では,関東を代表する三波川帯,秩父帯(メランジュ),および中新統秩父盆地層群の代表的なジオサイトを見学するとともに,盆地に広がる中新統と,それを取り巻く山々を構成する基盤岩の地形,および両者の境界をなす不整合と断層を,札所と和銅遺跡で見学する.ジオと文化・歴史のつながりを感じることができるコースでもある.

フォト
論説
  • 工藤 崇
    2022 年 128 巻 1 号 p. 109-127
    発行日: 2022/06/21
    公開日: 2022/06/21
    ジャーナル フリー
    J-STAGE Data

    十和田火山カルデラ形成期の約21 cal kyr BPに発生した噴火エピソードMについて,給源近傍と遠方における噴出物の産状を記載するとともに,岩石学的特徴を用いた両者の対比を行い,この噴火の特徴と推移について考察を行った.噴火エピソードMの噴出物は,給源近傍に分布する雲井火砕流堆積物及びカラタマ沢軽石,給源遠方に分布する米田テフラ(下位より米田1軽石と米田2火山灰に細分)からなる.岩石学的特徴の類似から,雲井火砕流堆積物とカラタマ沢軽石は,米田2火山灰と同時期の堆積物と判断される.噴火エピソードMでは,最初にプリニー式噴火が発生し,米田1軽石が降下堆積した.その後まもなく,湖水の影響を受けた断続的な水蒸気プリニー式噴火へと移行したと推定され,この噴火により米田2火山灰とカラタマ沢軽石が降下堆積した.この噴火では噴煙柱が部分崩壊して火砕流が発生し,給源近傍に雲井火砕流堆積物が堆積した.

  • グラーベン・カルデラとの比較
    今岡 照喜, 馬塲園 明, 曽根原 崇文, 井川 寿之, 永松 秀崇
    2022 年 128 巻 1 号 p. 87-107
    発行日: 2022/06/21
    公開日: 2022/06/21
    ジャーナル フリー
    J-STAGE Data

    山口県長門-豊北地域の後期白亜紀カルデラの形成史解明のためにそれを構成する阿武層群の火山層序・構造・岩石記載・化学組成および関連貫入岩類の産状・貫入関係について記載した.当地域の阿武層群は下位の豊北層と上位の長門層に区分される.豊北層は堆積岩優勢層で,下位から粟野礫岩砂岩部層,宝蔵山火山礫凝灰岩部層,大藤山凝灰岩部層および阿惣川頁岩凝灰岩部層に区分される.一方,長門層は乾陸上に噴火した流紋岩質火砕岩を主とし,下位から大坊川流紋岩凝灰岩部層,熊野岳流紋岩凝灰岩部層,国広安山岩部層および船越流紋岩凝灰岩部層に区分される.火山岩類は基盤の関門層群と正断層や境界岩脈を隔てて接し,珪長岩・花崗岩類・閃緑岩類に貫かれる.豊北層と長門層は,東西方向に伸びた長さ34 km,南北14 kmを超えるグラーベン・カルデラを構成する可能性が高い.また両層のイグニンブライトは沈み込み帯に関連した化学組成を有する.

ノート
  • 勝田 長貴, 城野 信一, 梅村 綾子, 河原 弘和, 吉田 英一
    2022 年 128 巻 1 号 p. 81-86
    発行日: 2022/05/21
    公開日: 2022/05/21
    ジャーナル フリー

    Fe oxide Liesegang bands have often been observed in sedimentary and igneous rocks, and they are formed during weathering and alteration by water-rock interactions. In this study, micro-X-ray fluorescence (μ-XRF) mapping was used to study the Fe bands in an Fe oxide concretion from the Jurassic Navajo Sandstone in Utah, USA, to estimate the duration of their formation. Most of the peaks in Fe concentration are steeper on the inner side than on the outer side, which indicates a supply of ferrous ions (Fe2+) from outside the concretion. The precipitation of Fe oxide was controlled by pH buffering that resulted from a reaction between acidic water and alkaline pore water that formed through the dissolution of an earlier calcite concretion. The reaction rate within the Fe oxide concretion was estimated from the width of the Fe peaks and the expected diffusion coefficient for Fe through the rock matrix, and it was found to be no more than years to decades-faster than previously estimated. This demonstrates that μ-XRF mapping is a useful technique to extract quantitative information about water-rock interactions from rocks.

レター
報告
フォト
論説
  • 鹿野 和彦, 柳沢 幸夫, 奥野 充, 中川 光弘, 内村 公大, 味喜 大介, 井口 正人
    2022 年 128 巻 1 号 p. 43-62
    発行日: 2022/04/27
    公開日: 2022/04/27
    ジャーナル フリー
    J-STAGE Data

    新島の露頭と新島地震観測井コアを調査し,姶良カルデラの後カルデラ火山活動と環境の変遷を明らかにした.姶良カルデラは当初,淡水湖であったが,14.5 cal ka BP頃に海水が流入して内湾に変わった.海進前の淡水湖にはラハールなど様々な粒子濃度の密度流が繰り返し流入し,北東隅の若尊火山から噴出した流紋岩質水底密度流がカルデラ内に堆積し,桜島の爆発的噴火で生じたテフラが新島周辺に堆積した.若尊火山と桜島火山の活動は海進の直前に穏やかになったが,13 cal ka BP頃に若尊火山で新島軽石が大量に噴出してカルデラが形成され,さらに小規模ながら新島南部軽石が噴出した.また,新島軽石と新島南部軽石の噴火の合間を縫って桜島でも大規模な爆発的噴火が発生し桜島薩摩テフラが噴出した.その後若尊カルデラの活動は静穏となったが,桜島火山は爆発的噴火と溶岩流出を繰り返し,姶良カルデラ底に噴出物をもたらした.

論説
  • 小松原 純子, 長 郁夫, 坂田 健太郎, 中澤 努
    2022 年 128 巻 1 号 p. 29-42
    発行日: 2022/03/10
    公開日: 2022/03/10
    ジャーナル フリー

    東京都湾岸部の沖積低地(東京低地)の16地点で常時微動観測を行い,各地点で地盤の平均S波速度とH/Vスペクトルのピーク周波数すなわち地盤の共振周波数を推定した.これにより,表層の軟弱層が厚いと共振周波数が低くなることが示された.1/4波長則を適用して地盤の共振周波数を特徴付けるS波速度不連続面の深さを算出したところ,ばらつきは大きいものの,検討した13地点中7地点において,従来物性境界と考えられてきた七号地層/有楽町層境界よりも下位の,七号地層の砂泥互層中に位置することが示された.この不一致の原因として,七号地層の砂泥互層中や基底礫層上面の物性境界が影響を与えている可能性が考えられ,H/Vスペクトルピーク周波数のばらつきは砂泥互層を構成する蛇行河川堆積物やエスチュアリー堆積物の不均一性に由来すると考えられる.

フォト
論説
  • 加瀬 善洋, 川上 源太郎, 小安 浩理, 高橋 良, 嵯峨山 積, 仁科 健二
    2022 年 128 巻 1 号 p. 7-26
    発行日: 2022/02/15
    公開日: 2022/02/15
    ジャーナル フリー
    J-STAGE Data

    北海道の津軽海峡沿岸域において津波堆積物調査を実施した結果,4地点で泥炭層中に挟在する6枚のイベント堆積物を見出した.イベント堆積物の形成年代は589~516 cal yBP,734~670 cal yBP,1656~1538 cal yBP,1745~1639 cal yBP,2401~2265 cal yBP,2771~2618 cal yBPである.イベント堆積物の供給源,確認地点の現海岸線からの距離,発生頻度から総合的に判断すると,イベント堆積物は津波起源の可能性がある.イベント堆積物はいずれも隣接地域の既知の津波イベントと年代的に近接する.一方,年代の新しいイベントは13~15世紀頃と推定され,北海道から東北地方の太平洋沿岸域で広く知られる17世紀の津波イベントは北海道津軽海峡沿岸に堆積物を残していないことが示された.このことは,17世紀に発生した津波の波源域を考える上で,拘束条件の1つとなる可能性がある.

レター
  • 内野 隆之, 坂野 靖行
    2022 年 128 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2022/02/01
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル フリー

    An exotic block of garnet-bearing schist has been found at the boundary between the Early Triassic Takinosawa Unit of the Nedamo Belt and the Early Jurassic Nakatsugawa Complex of the North Kitakami Belt, NE Japan. This is only the second discovery of exotic schists in the Nedamo Belt; the previously identified schists occur at the boundary between the Takinosawa and early Carboniferous Tsunatori units of the Nedamo Belt. The garnet-bearing schist is characterized by a mineral assemblage of garnet + phengite + epidote + albite + quartz + titanite. Phengite with Si of 6.51-6.66 atoms per formula unit (O = 22) and the mineral assemblage suggest that the schist underwent high-P/T metamorphism prior to emplacement into its current position. The schist yields a phengite K-Ar age of ca. 290 Ma (late Paleozoic), suggesting a correlation with high-P/T schist of the Yamagami Metamorphic Rocks from the Motai-Matsugadaira Belt. This finding supports the extension of late Paleozoic high-P/T metamorphic rocks (i.e., the Renge Belt of SW Japan) to NE Japan.

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