2014 年 120 巻 8 号 p. 273-280
北海道の日高火成活動帯北部,奥士別複合深成岩体のタドシュナイ岩体,サックル東岩体,サックル西岩体周辺に分布する泥質岩起源のざくろ石-菫青石含有黒雲母ホルンフェルスから黒雲母K-Ar年代(20.2±0.5 Ma,19.0±0.4 Ma,17.8±0.4 Ma)を報告した.サックル東岩体とサックル西岩体はトロクトライト,かんらん石斑れい岩,閃緑岩からなり,タドシュナイ岩体は石英閃緑岩からなる.これら3岩体の全てあるいはそれらの内のいくつかが熱源であると考えられ,日高火成活動帯北半部において,前期中新世の苦鉄質/中間質火成活動の存在がほぼ確実になった.