2019 年 125 巻 6 号 p. 405-420
北部九州東部に分布する添田花崗閃緑岩のU-Pbジルコン年代測定,希土類元素ならびにSr・Nd同位体比測定を行った.添田花崗閃緑岩は,全岩Sr含有量によって,落合花崗閃緑岩と伊良原花崗閃緑岩の2岩体に区分される.これらは,主に普通角閃石-黒雲母花崗閃緑岩からなる.落合花崗閃緑岩と伊良原花崗閃緑岩からそれぞれ,107.41±0.82Maと103.11±0.69MaのU-Pbジルコン年代が得られた.これは,両花崗閃緑岩マグマの貫入時期が異なることを示唆する.落合花崗閃緑岩と伊良原花崗閃緑岩の希土類元素ならびにSr・Nd同位体比組成は異なる.