地質学雑誌
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論説
アパタイト微量元素組成を用いた仙台地域の鮮新統・向山層の層序と凝灰岩の対比
草川 遥 髙嶋 礼詩
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2023 年 129 巻 1 号 p. 389-404

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抄録

鮮新統の仙台層群・向山層の岩相層序を検討した結果,同層からは対比可能な6つの凝灰岩が認められ,下位より,大堤沢凝灰岩,広瀬川凝灰岩,蒲沢凝灰岩,鹿落坂凝灰岩I,鹿落坂凝灰岩II,塩野沢凝灰岩と名付けた.これらの凝灰岩はアパタイト微量元素組成により明瞭に識別可能で,仙台地域で広く対比可能であることが明らかになった.ただし広瀬川凝灰岩に関しては,一部の地域でアパタイトや斜方輝石・角閃石の有無に大きな違いがみられ,同一の噴火によるものか,堆積後の風化・続成作用によるものかについては今後さらなる検討が必要と考えられる.向山層の凝灰岩のジルコンのU-Pb年代によると向山層の年代は3.7~3.5 Maと推定される.

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© 2023 日本地質学会
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