地質学雑誌
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上総層群下部に挟在するKd 38火山灰層 : 房総半島におけるその対比の再検討
里口 保文渡辺 真人中条 武司片岡 香子
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2000 年 106 巻 3 号 p. 189-204

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抄録

鮮新-更新統境界付近に挟在する広域火山灰層として重視されている, 上総層群下部の火砕鍵層Kd 38をKd 38火山灰層として再定義し, 房総半島東部から西部に至る13地点において対比の再検討を行った.Kd 38火山灰層は調査を行った各地点において, 岩相および記載岩石学的性質が異なるが, 佐野~会所地域, 横瀬~追原地域, 折木沢~小志駒地域の各地域内での岩相および記載岩石学的性質はほぼ類似する.さらにそれぞれの地域間においては, 下位の特徴的な性質を持つKd 38.2火山灰層の対比とKd 38火山灰層のユニット区分による岩相と記載岩石学的性質の関係から対比される.このような各地点におけるKd 38火山灰層の岩相や記載岩石学的性質の違いは, 降灰後の堆積過程の違いを反映している.

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