地質学雑誌
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11., 棘口蘚蟲 Microporina articulata (FABRICIUS) に就いて
坂倉 勝彦
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1936 年 43 巻 511 号 p. 259-267

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抄録

Microporina articulata は Cellaria borealis (BUSK) として屡々報告された棘口蘚蟲で, FABRICIUS により Groenland から最初に記載されたものである。F., BORG[2]によると arctic, boreal に分布する種とされてゐるが太平洋では更に南方まで擴がってゐて東側では Queen Charlotte Is., Vancouver, California に, 西側では北千島に知られてゐる。更に津輕海峽から Microporina japonica CANU & BASSLER として記載されたものも後述する如く同物異名と考へられ分布は一層擴がる。他方化石としての産出は筆者の知る限り現在まで全然ない模様である。以下に日本産化石並びに現世標本に就て記述する。標本入手にあたって御好意を辱くした新野(津輕海峽産現世標本), 朝比奈(尻矢崎産同上), 長尾(北海道産化石), 徳重(佐渡産化石)の諸氏に深く感謝したい。

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