地質学雑誌
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81., カール・ニコバールの鮮新層よりシュワーガー氏により記載せられた種類の有孔蟲に就て
JOSEPH A. CUSHMAN
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1939 年 46 巻 546 号 p. 149-154

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抄録

シュワーガーは力ール・ニコバールの鮮新層から多數の有孔蟲を記載したが其中或種類を除いては其後殆ど引用されないか或は同物異名として他の種名に移されて來た。本研究の材料は其模式産地より得たる者でシュワーガーの者のtopotypesである。シュワーガーの圖及び記載よりは稍々正確に或種を説明する事が出來る。Nodosaria fistucaは口孔の性質から今日Ellipsonodosaria fistucaと爲す可き者である。Nodosaria tosca本種に同定される者は新第三紀層に廣く産するが口孔の性質が不明で正確に其屬を決定する事が困難である。Nodosaria lepidula 之は今日 Ellipsonodosaria lepidulaと呼ぶ可き者である。Nodosaria glandigena 之も恐らく Ellipsonodosaria glandigena と稱す可き者である。Uvigerina hispida 此の記載は其名稱に適合する樣に小突起で蔽はれて居る印象を與へるが, 原圖が棘状突起を有する樣に畫かれてあるので本種に同定された者は稀であるが太平洋地域及び他地域の新第三紀層中にも廣く分布する者の樣である。Uvigerina nitidula, Uvigerina gemmaeformis は口孔の性質が不明であるが恐らく之と同種であり, 此者は瓜哇及びフィジーの新第三紀層中にも産する。Urigerina proboscidea 之は大平洋中の島嶼及び米國加州の新第三紀層中に産する。Dimorphina striata本種は今日Siphogenerina striataと稱す可き者である。Fissurina staphyllearia 本種はEntosolenia staphylleariaと呼ばる可き者である。Pleurostomella alternans從來本種に同定されて來たが其同定が正しくない者が多い。チャレンヂャ一報告に於てもブラディーがシュワーガーの原圖及び記載とは矛盾する樣な者を同定して居る。Pleurostomella brevis今日迄本種に同定された者が多々あるが正しくカール・ニコバールの者に同定し得る者は太平洋地域の現生及び新第三紀層所産の者のみである。Discorbina sacharina之はGlaborotalia menardi var., sacharina とすべき者で太平洋地域の鮮新期より現生期に亙って産出する者である。Anomarina cicatricosa之はCibicides cicatricosaと改稱す可き者である

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