日本地質学会学術大会講演要旨
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第130年学術大会(2023京都)
セッションID: J1-P-7
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J1. ジュニアセッション
学校の周囲の大気現象から環境の変化を考える
*学校法人池田学園 池田中学・高等学校
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抄録

研究者氏名:中学3年:茶屋道玲、中2年:廣田瑛南、廣田珂南1 研究の動機私たちの学校は鹿児島市西別府町(海抜93.5m)にある。約1㎞先の松元町にはお茶畑が広がり、学校周辺も霧が大変多い。また、少し高台にあるので学校は雷の被害が頻繁にあり、令和5年7月11日にも体育館への落雷で火災報知器が壊れた。 _授業中に先生が「学校が開校した30年前より霧は減っているような気がする。しかし、雷はとても増えたような気がする。」と言った。本当に雷が増えて、霧は減ったのだろうか。先生の話から、気象台の記録で霧と雷の変化について調べてみたいと思った。2 研究の目的 「霧が減って、雷は増えた」という先生の話は本当なのか気象庁のデータで調べてみる。3 研究の方法 気象庁のホームページから観測データ調べて、「霧」と「雷」の発生回数の推移を調べて、その変化を考える。増加・減少の傾向はExcelでグラフを作り、近似直線を引いて、係数で判断した。同時に因果関係のありそうな気温と降水量の変化も調べた。この時、観測方法や観測地点の変更があるデータは均質な期間のみを使った。4 結果研究⑴ 鹿児島県内の雷気象庁のホームページでは、「雷は、大気中で大量の正負の電荷分離が起こり、放電する現象。放電する際に発生する音が雷鳴で、光が電光1)」とある。鹿児島気象台の雷回数は1931年から年々増加傾向にある。また、鹿児島県内の7地点(枕崎・種子島・名瀬・阿久根・屋久島・沖永良部)の雷も増加している。雷の増加の傾向はExcelでグラフを作り、近似直線をひくと、増加傾向を示す直線の傾きが一番大きいのは鹿児島気象台で、y=0.19x+12.7という近似式であるかことがわかった。研究⑵ 鹿児島県内の霧霧とは地表近くの空気中に細かい水滴が浮遊するもので、気象観測では水平視程1km未満の場合をいう2)。鹿児島県内各地の霧は、鹿児島・枕崎・種子島・名瀬、屋久島・沖永良部の6地点で調べた。年々減少の傾きが大きいのは屋久島で、傾きは-0.21だった。しかし、隣の種子島は0.01でかすかな右肩上がりであった。研究⑶ 全国の雷私たちが調べた全国主要都市17カ所(北海道、青森、岩手、新潟、富山、茨城、東京、静岡、長野、愛知、大阪、岡山、広島、高知、和歌山、山口、福岡、大分、長崎)の気象台の記録では、すべての地点で雷の発生が増えて、霧が減少している。近似直線の傾きが一番大きかったのは、富山で、0.25であった。5 考察「霧日数」は鹿児島県内(阿久根以外)でも、全国17カ所でも、減少していた。これらの地域は気温も上がっており、地球温暖化が原因だとすると、気温が上昇して、空気の飽和水蒸気量が大きくなり、空気中の水滴は蒸発して水蒸気になるために霧が出なくなっているのではないだろうか。雷日数は全国17カ所で増加していることがわかった。これらの地域の降水量も増加している。 _雷は降水量の上昇(強い雨)や飽和水蒸気量と因果関係がある可能性もあるので今後分析を進める。6 今後の課題 霧と雷の変化と関係する別な気候の要素との関係がないか分析する。7 参考文献1)気象庁ホームページ2)「気象・天気の新事実」木村龍治著、2015、新星出版社8 キーワード 霧、雷、近似直線、鹿児島気象台

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