これまでの疫学研究等から血清アルブミン値の低下に基因する低栄養状態においては生活機能低下,死亡率の増加などが確認されており,低栄養状態を改善することの重要性は明白である.介護保険制度下での介護予防事業ではこのような低栄養の予防を中心とする「栄養改善」サービスが導入されている.
低栄養を改善するためのスクリーニングの第一歩は基本チェックリストの2項目(体重減少及びBMI 18.5未満)であるが,特定高齢者として本サービスを受給される割合はいまだに少ない.実際に実施された事業の効果分析からは,「栄養改善」サービスが生活機能の維持向上に有効であるとのデータも報告されている.現在,国は栄養改善サービスのより効果的で実効性のある事業となるよう,さまざまな取り組みが実施されている.