2017 年 54 巻 1 号 p. 35-40
2018年には医療保険と介護保険の同時改定を控え,超高齢社会における持続可能な医療と介護システムの実現に向けた議論が進められている.特に介護においては,要介護高齢者の家族が大きな役割を担ってきたが,従来の三世代世帯において要介護者を支えてきた女性の社会進出や,未婚や晩婚化,働き方の違いによる家族構造の変化が,要介護高齢者を支える介護者としての家族に変化を与えている.本稿では,現在の我が国の超高齢社会の現状と家族介護の変遷を整理するとともに,この変化が,いかに介護保険サービス利用に影響するかについて解説する.