日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
人体皮膚細胞成分の年令的消長
アンドリュー W.佐藤 秩子
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1965 年 2 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

新生児から94才までの人体剖検例皮膚 (白人男性144例, 日本人男女性おのおの172例, 103例) を用いて, 真皮結合織内各種細胞成分の構成, 毛細血管分布等々についての年令的比較を試みた. 1才未満で極めて密な細胞成分は, 逐令的に減少し, 当初大部分の細胞成分は線維芽細胞と大単核球から成り立っているが, 次第に肥満細胞, リンパ球等々の比較的増加が逐令的にみられるようになる. 一定視野内乳頭数は老年群に顕著に減少する. 1~2の例外を除いては, 日本人男性および女性の間に有意の差は認められず, 白人男性例と日本人男性例の間には, 逐令的に変化する各種細胞数がかなり異なり, 2~3の例外を除いて, 両種族間に有意の差を認めた場合が多い.

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© 社団法人 日本老年医学会
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