抄録
急死ないし急死に近い状態で死亡し, 剖検によって肝所見がうっ血以外著変のみられない百歳老人9例 (100~112歳; 男3例, 女6例) と百歳未満の対照34例 (16~92歳; 男17例, 女17例) について肝細胞の核の大きさ (ploidy), 細胞の大きさ及び二核細胞の出現頻度などを検索し, 百歳老人について肝実質細胞の特徴を求めた. 検索は各症例の組織標本について行ない, 肝細胞の核と細胞の大きさは自動映像分析装置QTM-900で測定した.
百歳老人の肝細胞計測で得た所見は, 百歳未満の症例の肝細胞にみられた加齢変化の延長線上にあった. この所見は, 百歳老人は長寿に関して特殊な個体の集団であるとする仮説を支持できない一つのデータと考えられる.