日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
老年者の骨シンチグラムの特徴
椎体骨病変を中心として
丹野 宗彦山田 英夫林田 興一遠藤 和夫山片 敦西野 英男永島 淳一千葉 一夫
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1986 年 23 巻 5 号 p. 463-468

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抄録
老年者に骨シンチグラムを施行した結果, 胸, 腰椎部に bone seeking agent, 99m Tc-MDP の異常集積の多発するのを経験した. その成因を解明する目的で骨の剖検所見と骨CT所見との比較検討を行なった. 悪性疾患で胸, 腰椎部に radionuclide (以下RNと略す.) の異常集積像を呈した症例は49% (85症例中42症例) であった. 特に腰椎部にRNの異常集積像をみた25症例の剖検所見では13症例で明らかな悪性腫瘍の転移性骨病変を認めたが, 残りの症例では認めなかった. 良性疾患群でも28%の症例に胸, 腰椎部にRNの異常集積像をみとめた. 胸, 腰椎部にRNの異常集積像をみとめた18症例の骨CT検査では同部に顕著な骨硬化像, 骨粗鬆性変化および圧迫骨折などを認めた. これらの事実は, 老年者の骨シンチグラムにおける胸, 腰椎部のRNの異常集積像は悪性疾患の転移性病変のみならず, 加齢に伴う骨の諸変化等が原因となることが多いことを示し, 診断上考慮する必要があると考えられる.
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