日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
脳梗塞と糖尿病における血清脂質・アポ蛋白値
box plot を用いて
小根森 元川西 昌弘中元 敦子平岡 政隆梶山 梧朗
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キーワード: 脂質, アポ蛋白, 脳梗塞, 糖尿病
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1990 年 27 巻 1 号 p. 22-27

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抄録
脳梗塞を糖尿病合併の有無により2群にわけ脳梗塞発症3カ月後の慢性期の脂質・アポ蛋白値を, exploratory data analysis (以下EDAと略す) 手法の1手法である箱ひげ図 (box plot)を用いて対照群, 糖尿病単独群と比較し, 以下の成績を得た.
1) 未治療ないし食事療法のみ施行された糖尿病単独群では, 対照群に較べ Triglycerides (以下T.G.と略す). アポB, C-II, C-IIIの高値, HDL-Cholesterol (以下HDL-C. と略す) の低値を認め, LDL-Cholesterol (以下LDL-C. と略す) の高値傾向, アポA-Iの低値傾向を認めた.
2) 脳梗塞単独群では, 対照群に較べLDL-C. の高値傾向, アポBの高値, HDL-C., アポA-I, A-IIの低値を認めた.
3) 糖尿病合併脳梗塞群では, 対照群に較ベアポBの高値を認めT.G.の高値傾向, HDL-C.の低値傾向を認めた. 脳梗塞単独群に比べ, T.G., HDL-C., アポA-II, C-IIIの高値傾向を認めた.
4) LDL-C./アポBは対照群に比べ糖尿病合併脳梗塞群で低値で (p<0.05), 糖尿病単独群でも低値傾向を認めた.
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